「電動パスタマシンはどこから生地を入れる?」「厚さをどの順番で変える?」「カットした麺がつながってしまう」。アトラス電動パスタマシンは、手でこねた生地をローラーで伸ばし、カッターで麺にする道具です。モーターで回転させるため、ハンドルを回す手を生地の受け渡しに使えるのが特徴。使い方の基本は、生地を扱いやすい量に分け、厚い設定から段階的に薄くし、軽く打ち粉をしてからカットすることです。この記事では、マルカートのアトラスモーターを例に、準備、操作、失敗への対処、掃除まで解説します。

アトラスモーターの全体。手前が生地を伸ばすローラー、上部が麺を切るカッター、右側がモーターです。
アトラス電動パスタマシンの基本情報
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メーカー |
MARCATO(マルカート) |
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商品 |
Atlasmotor/アトラスモーター |
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構成 |
生地伸ばしローラー・カッター・電動モーター |
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電源(写真の銘板) |
100V、50–60Hz |
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スイッチ(写真の表示) |
ON(I)/OFF(0)/PULSE(II) |
写真のモーターは日本向け100V仕様です。海外仕様や中古品を選ぶ場合も、購入前にモーターの銘板と使用する電源を照合してください。
アトラスモーターの特徴|生地の受け渡しを両手で行いやすい
電動でも、生地をこねる作業は別に行う
アトラスモーターはローラーやカッターを駆動する仕組みです。粉と卵を投入して、こね上げから製麺まで全自動で行う機械ではありません。事前にまとまりのある生地を作ることが、伸ばしやすさと麺の切れ方に影響します。こね作業も機械に任せたい場合は、ミキサーや生地をこねる機能のある別機種を比較しましょう。
厚さ調整とカットは別の工程
まず平らなローラーで帯状の生地を作り、その後にカッターへ通します。厚さ調整ダイヤルで変わるのは生地の厚みです。麺の幅を変えるには、目的のカッターを選びます。厚さと麺幅を分けて考えると、ラザニア用のシートと細長い麺を作り分けやすくなります。
使う前の準備|電源とモーターの固定を確認する
乾いた平らな作業台に置き、生地を置く台と、出てきた生地を受ける場所を確保します。コンロやシンクの近くを避け、コードが作業台から垂れ下がらないようにします。長い髪、袖、ネックレスなどが回転部へ近づかない状態で作業しましょう。
モーターの着脱やカッターへの付け替えは、OFFにして電源プラグを抜いてから行います。手元の説明書に従って駆動軸と取り付け部を合わせ、確実に固定してください。製造時期や組み合わせで取り付け方法が異なるため、無理に押し込まないことが大切です。
初回はメーカーの手順でローラーを拭き、少量の生地を通して清掃します。清掃に使った生地は食べずに処分してください。本体やモーターを丸洗いする必要はありません。
ON・OFF・PULSEの使い分け
ON(I)は運転、OFF(0)は停止、PULSE(II)は一時的に動かすための操作です。写真のスイッチ横にも、この3つの表示があります。PULSEを速度調整の段階と考えず、短く動かしたい場面で使います。操作に慣れるまでは少量の生地で流れを確認しましょう。

モーターのスイッチ。ON・OFF・PULSEの表示を確認して操作します。
生地の伸ばし方|最も厚い設定から一段ずつ薄くする
1 指にべたつきにくい生地を準備する
使うレシピに沿って粉と卵などを混ぜ、均一でまとまりのある生地にこねます。べたつきが強い生地をそのまま通すと、ローラーへ付着しやすくなります。反対に、硬く乾いた生地は裂けやすいため、レシピの範囲で粉や水分を少量ずつ調整してください。休ませる場合は表面の乾燥を防ぎます。
2 少量に分け、ローラーへ入る形に平らにする
大きな塊を無理に押し込まず、小分けにして軽く平らにします。ローラー幅からはみ出さない形に整え、残りの生地は乾かないよう覆っておきましょう。受け取る場所が足りないほど長い帯にするより、扱える長さに分ける方が作業を続けやすくなります。
3 最も厚い設定で形を整える
厚さ調整ダイヤルを最も厚い位置へ合わせます。メーカーのAtlas系基本手順は0から始める方式です。写真のようなダイヤルは外側へ引いて回し、所定の位置へ戻して設定します。番号の刻みが違う機種では手元の説明書を優先してください。

側面の厚さ調整ダイヤル。厚い設定から順に薄くしていきます。
少量の生地を通し、出てきたシートを折って、必要な打ち粉を薄く付けて再び通します。最初は生地の形をそろえる工程です。指でローラーの隙間へ押し込まず、生地が引き込まれる位置から回転部に触れないようにします。
4 一段ずつ薄くし、出てくる生地を支える
形がそろったら、厚さを一段ずつ薄くして通します。いきなり最薄へ変えると負荷が増え、生地が破れたり詰まったりする原因になります。下から出る生地は引っ張らずに支え、作業台へ重ならないように置いてください。生地を通している途中の設定変更は避け、必要なら停止して調整します。
最薄まで伸ばすこと自体を目標にせず、麺の種類とレシピに合う厚さで止めます。同じ番号でも別機種へ厚さの数値をそのまま当てはめず、仕上がりを見て調整しましょう。
カットの仕方|短く分けたシートを目的のカッターへ
目的の厚さになったら、帯状の生地を扱いやすい長さに切り、両面へ打ち粉を薄く付けます。OFFにしてプラグを抜き、説明書に従ってモーターを使うカッター側へ付け替えます。取り付けが確実であることを確認してから再接続してください。
シートをカッターへ通し、出てきた麺を引っ張らずに受けます。麺同士がくっつかないよう、必要な打ち粉を振り、作業台やパスタ用の乾燥スタンドへ広げます。カッターの種類によって適する生地厚があるため、指定を確認してから使用しましょう。
生地がくっつく・破れる・切れないときの対処
くっつく:生地の水分、表面のべたつき、打ち粉の量を見直します。粉を大量に追加する前に、少量ずつ調整してください。
破れる:厚さを飛ばして薄くしていないか、生地が乾きすぎていないか、受け取るときに引っ張っていないかを確認します。
麺がつながる:カッターに合う厚さと、生地の表面の乾き具合を確認します。カッター周辺に付着した生地も、停止・抜栓してから除去します。
モーターが動かない・音がおかしい:OFFにしてプラグを抜き、取り付けや詰まりを確認します。異常が続く場合は使用をやめ、販売店へ相談してください。モーター内部を自己分解しないでください。
洗い方|本体は水洗いせず、布とブラシで掃除する
作業後はOFFにしてプラグを抜き、粉や生地くずを布とブラシで取り除きます。本体、ローラー、モーターを流水で洗ったり、食洗機へ入れたりしないでください。回転中にブラシを当てる掃除も避けます。
手入れでは、表から見えるローラー面だけでなく、その下にあるくし・スクレーパーまわりの生地くずも確認します。マルカートの公式清掃案内では、これらの部品を取り外してローラーまわりを清掃し、外したくし・スクレーパーは冷水で洗う方法が示されています。本体を丸洗いするのではなく、本体側は布とブラシ、取り外した洗浄可能な部品は冷水、と清掃方法を分けるのがポイントです。
作業は停止・抜栓してから行い、部品を外す前に取り付け位置と向きを確認しておきます。写真のような旧モデルは、製造時期に対応した説明書で取り外せる部品と外し方を確認してください。洗った部品は水分を残さず完全に乾燥させ、説明書どおりに組み戻します。仕込み後の片付けでは、粉を払うだけで終わらせず、ローラー下の生地残りの確認までを清掃の一工程にするとよいでしょう。

モーターの側面と通気部分。粉や生地くずを取り除き、水をかけずにお手入れします。
メリットと注意点|生地を支えやすい一方、連続大量製麺には条件がある
電動式はハンドルを回す必要がないため、薄くなったシートを受け取る作業へ手を使いやすいのが利点です。生パスタを繰り返し作る方や、伸ばしとカットを一人で進めたい方には検討しやすい構成です。
一方、生地の準備、厚さ調整、カッターへの付け替え、清掃は必要です。メーカーのAtlasmotor/Pastadrive説明書では連続運転は最大15分とされており、手元の説明書に従って休止を入れます。動力があるからといって、硬い生地を無理に通したり、業務用の連続製麺機と同じ条件で使ったりしないでください。
手回しをたまに使う程度なら手動式も候補です。大量の仕込みを継続する厨房では、処理量、休止時間、清掃性、修理対応を含めて、業務用機との比較が必要になります。
購入前に確認したいポイント
電源:日本向け100Vか、銘板と使用場所の電源を照合します。海外仕様を外観だけで選ばないでください。
本体とモーターの適合:Atlas、Atlasmotor、現行の+シリーズ、モーター単品では構成が異なるため、品番と適合表を確認します。
カッター:付属する麺幅、別売り品の対応、モーターで駆動できるアクセサリーかを確認します。
作業場所:本体を置くだけでなく、生地を送り出す方向、受け取るスペース、コードと清掃場所まで確保します。
料理人目線で選ぶなら、作りたい麺と1回の仕込み量を先に決め、機械の幅や運転条件が作業に合うかを見てください。
よくある質問
粉と卵を入れれば自動で麺になりますか?
アトラスモーターは生地を伸ばして切るための構成です。生地は別にこねて準備します。
PULSEは速さを変える機能ですか?
短時間動かすための操作です。写真の機種ではON・OFF・PULSEの表示に従って使用します。
本体を洗剤と水で丸洗いできますか?
できません。本体とモーターは布とブラシで清掃し、外せる部品も説明書の指定どおり扱います。
全ての交換カッターで電動運転できますか?
アクセサリーごとに対応条件が異なります。Atlas対応という名称だけで判断せず、モーターへの対応も確認してください。
まとめ|厚い設定から段階的に伸ばすことが基本
アトラス電動パスタマシンを使いこなすには、生地を適度な状態へ整え、少量ずつ厚い設定から伸ばし、目的のカッターへ通す流れを押さえましょう。電動でも回転部へ触れず、付け替えと清掃は停止・抜栓して行います。購入時は電源と適合カッター、仕込み量に合う運転条件を確認し、生地を受け渡す場所まで準備すると作業を組み立てやすくなります。





